人間オークション       ~100億の絆~
あの後泣き崩れた麗亜さんも自分の部屋へと戻ってしまった。リビングに残る且功と私。

「私、結婚も妊娠もまだしたことがないし分からないことだらけだけど……2人を困らせちゃったかな…?」
「いや、むしろ命(みこと)が僕に伝えてくれたから間に合ったんだ。妊娠したら出産をする人が大半だ。だけど中には堕胎する人もいるんだ。」

「堕胎って…?」

「赤ん坊が生まれる前に殺してしまうんだ。」
「そんなのダメ!せっかく咲月さんと麗亜さんに家族ができるのに……。」

「そうだ。だから咲月と麗亜に決めさせなきゃいけない。僕と命(みこと)は何もしない方がいい。分かったな。」

さっき麗亜さんが言っていたことを私は信じる。あれがきっと麗亜さんの本心だから。
麗亜さんの思いだから。
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