人間オークション       ~100億の絆~
且功に腕を引かれ強引に神無月家を出た。


人間オークションを作ったのが麗華さんだったなんて……。あんなに悪趣味で酷いことをしていたなんて……だけど一番許せないのは……


「私のせい…だったんだね。」
「命(みこと)、どうした?」

「私のせいで人間オークションが作られた。私のせいであんなにたくさんの子供たちが酷い目に……。」

「命(みこと)、それは違う。麗華さんがどの程度人間オークションに関わっていたのかは分からないが、パトロンの1人に過ぎない。簡単に言えば、命(みこと)に会うためにお金を出して協力していただけ。もっと悪い人間がいる。」
「それならもう人間オークションなんて終わる?もう酷い目に遭う子たちはいない?」


「絶対に僕が人間オークションを壊してみせる。だからもう、自分のせいだなんて言うな。」
「うん……。」


家までの車の中でそれ以上私たちが話すことはなかった。私は馬鹿だけど…知らないことが多いけどこれだけは分かった。


私はもうすぐ且功と……咲月さんと別れなければいけない日が来るということを。
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