人間オークション       ~100億の絆~
「そろそろ私が買い物に行ってもよろしいかしら。」

「麗亜、お前はスーパーというものを知っているのか?」
「大丈夫ですよ。この日のため咲月と何回もシミュレーションを致しましたの。」


そう、料理が苦手な麗亜さんはせめて何かをしたいと、この家に来てから毎日咲月さんと買い物のシミュレーションゲームをしていた。私もたまに一緒にやって麗亜さんのお手伝いをしていたけど、まさか小銭を知らないということにはすごく驚いた。

120円の買い物に平気で1万円札出してたし……

「まあ、咲月と一緒にいくなら問題ないだろう。しばらくは外出はなるべく控えたほうがいいだろうから車を使え。」
「わかりましたわ。私、冷蔵庫に足りないものをメモしてきますわね。」

頭を抱えている咲月さんとは対照的に何か楽しんでいるような且功の顔。正直、私も麗亜さんには不安な部分しかないけどいろいろなことを私が教えてもらったように麗亜さんもできることを増やしていってほしい。少しでもこれから起こるであろう悲しいことを紛らわせることができるようなことを。
< 67 / 113 >

この作品をシェア

pagetop