貴女は悪役令嬢ですよね? ─彼女が微笑んだら─
そう言われても、当然あたしは悪役令嬢とはよろしくするつもりなんかなかったけど、ある日考えを改めた。
『交流する』から『苛めが発生する』んだよね。

生徒会長のリシャールは苛めを見過ごせない。
そう思って、クロエが話しかけてきても逃げるのはやめて、相手をしてやることにしたの。
案の定、うるさく細かいことを指摘してくる。
婚約者がいる異性とは、必要以上に親しくしないように、とかさ。

男女間の友情ってあるでしょ、なんて流そうとしても、それならお相手が居ない男性とどうぞ、とか言うんだよ。
この学院内でお相手が居ないのは、底辺貴族の息子とか、余程のブサメンで縁談がうまくいかないヤツだけなの!

こっちはさぁ高等部2年からの編入なんだから、これぞ!の男は皆、お手付きだよー(泣)
あたしをそんな底辺の男とくっつけさせるつもりか、この悪役令嬢め!
あたしはこのゲームのヒロインなんだからね!
あたしを転生させた神様は、そんなの絶許だよ!
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