貴女は悪役令嬢ですよね? ─彼女が微笑んだら─
けどね、ややこしい事はどうでもいいの!
その日までのあたしは、単なるブリジット・ビグローだった。
少し頭のいい平民の女の子。
お父さんは結構羽振りのいい商会を経営していて教会に多額の寄付をしていた。
まあ多額って言っても平民の割には、の額だけどね。
それで、ちょちょっと教会に頼んで、貴族しか通えない学院に編入試験を受けさせて貰った、という。
お父さん的には、出来の良いあたしが学院に通って、貴族令嬢と友人になって取引をさせて貰えたらな、ぐらいだったと思う。

それで無事に試験に合格して。
この制服が届けられて、初めて袖を通した時に、ゲームのオープニング曲が流れてきて、次々に
場面が頭の中を通りすぎていった。
音と色彩と光の洪水。
眩しいイケメン達が私に微笑みながら、手を差し出して……
ピンク文字のタイトルがバーン!って。


『この気持ち全部をあなたに~底辺令嬢ですが、全方向から愛されています! Part 2』
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