Rhapsody in Love 〜二人の休日〜

目の前を通り過ぎる俊次に、みのりは声をかけた。


「俊次くん。アグレッシブなのもカッコいいけど、クールなところがあればも、もっとカッコいいぞ！！頑張れ！！」


みのりのこの言葉を聞いて、やらかしてしょぼくれてた俊次の表情が、みるみる明るくなる。


「ようし！みのりちゃん、見ててよ！」


俄然やる気になった俊次は、次のプレーのラインアウトではジャンパーとなり、ＯＢ側のフッカーが投げ入れたボールを、見事に空中でスティールした。


「すごい！俊次くん、ナイスー！！」


みのりの声が聞こえてきて、俊次は思わずニンマリする。けれども、それから始まるＯＢ側の怒涛のディフェンスに、にやける余裕さえなくなった。

俊次からスタンドオフにパスされると、そこから展開する前にタックルされる。ラックを作ってボールを出し、なんとかボールはキープするけど、またすぐにタックルされる。
高校生側はアタックしているのに、ディフェンス側にどんどん押されてエリアが狭くなる。


たまらず、フルバックがキックを使って、エリアを回復しようとした時だった。

キックをした瞬間、遼太郎がその前に走り出て、両手を挙げてチャージした。






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【チャージ】とは、キックで蹴り出されたボールを身体で阻止するプレー。この時、手に当たってボールが前に落ちてもノックオンにはならない。