Rhapsody in Love 〜二人の休日〜
「え?じゃあ、どうなるんですか?」
「俊次の対面は、他のヤツが止めなきゃならなくなる」
「ああ!それで、『ずれろ』って言ってるんですね。なるほど」
「まあ、普通はノミネートを決めてても、他の人間がディフェンスに入って来た時に、一人ずつ〝ずれる〟ことを言うんだけどな」
「うーん、すごい!あの修羅場の素早い動きの中で、そんな緻密なことをしてるなんて…!ラグビーってホントに奥が深いですね」
自分の専門にしているスポーツをそんな風に評価されると、江口も悪い気はしないらしく、口元を綻ばせた。
「はは。傍目で見たらめちゃくちゃで混乱してるみたいに見えるかもしれないけど、危険を伴う分、ルールが細かくてペナルティの種類も多いから、闇雲に暴れてしまったら試合にならなくなる。いかに合理的にアタックしたりディフェンスしたりできるか、工夫してるわけだ」
「わあ、そうなんですね…!」
みのりは何度も頷きながら、なんだかワクワクしてきた。遼太郎が打ち込むラグビーの奥深さを知ることは、遼太郎自身をもっと知ることができたような気持ちになる。