Rhapsody in Love 〜二人の休日〜


けれども、遼太郎はいつでもみのりの意識の一番上に浮かんできた。
人知れず真摯に努力をして、人知れず他人に親切ができる子だった。そんな遼太郎の、はにかんで微笑む顔をもっと見たいと思った。彼が自分でも気づいていない能力を開花させ、彼が成長できるために、どんなことでもしてあげたいと思った。


そして、いつからか遼太郎はみのりを包み込んでくれる存在となった。高校生とは思えないほどの包容力で圧倒的な安心感を与えてくれる遼太郎を、みのりは恋い慕うようになった。


遼太郎にとってもみのりは、ずっと憧れて想い続けて、やっと想いが通じた大事な人だった。

でも、いくら想い合ってても、12歳の年の差は遼太郎にとって支障にしかならない——。
そう思い込んでしまったみのりは、一度は別れを選んだ。


だけど、遼太郎との恋は、それまで経験してきたものとは違って、思い出にすることができなかった。遼太郎への想いは消すことができず、時が経てば経つほど苦しくなった。

遼太郎も離れている間、ずっとみのりを想い続けてくれていた。高校生の幼い感覚ではなく、しっかりとした大人の男として……。

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