Rhapsody in Love 〜二人の休日〜
一人で勝手な想像巡らせていた自分がとんでもなく恥ずかしくなって、みのりは顔を真っ赤にさせて立ちすくむ。
「……先生?どこか具合でも悪いんですか?」
赤い顔を見て、熱でもあるのかと思ったのだろうか。遼太郎が心配そうに表情を曇らせる。
「……ううん、大丈夫!何して遊ぶの?」
みのりはとっさに首を横に振って、楽しげな声を出してごまかした。
部室の中で抱きしめてもらうことは叶わなかったけれど、遼太郎はこうやって肩身の狭いみのりに居場所を作ってくれる。そんな遼太郎の優しさに、みのりの胸がキュンと軋んでいた。
第2グランドはラグビーのピッチだけではなく、そこと同じくらいのスペースがあり、遼太郎は試合には邪魔にならない場所まで子どもたちを連れて行く。
遼太郎によってネットの中からラグビーボールがバラバラと出されると、子どもたちはそのボールを手に、それぞれ思いのままに遊び始める。
「あれ?このラグビーボール、ちょっと小さい?」
余っている一つを手に取って、みのりが呟く。
そんなみのり気づきを受けて、遼太郎は嬉しそうに微笑んだ。
「子ども用のラグビーボールです」