Rhapsody in Love 〜二人の休日〜
・クリスマスプレゼント
打ち解け合った後の会話はとても楽しく、話は尽きそうにもなかったが、みのりは次の日も朝から仕事があるので、遅くなりすぎないうちに帰ることとなった。
みのりが古庄の両親に丁寧なお礼を述べている間、
「狩野くん、駅の方から帰る道を教えてあげよう」
と、来た時とは違う比較的マシな道を教えてもらった。
三人に見送られながら古庄家を後にし、街灯もほとんどない暗い夜道を遼太郎が慎重に運転する。ようやく二人っきりになって、みのりは「はぁ…」と大きな息をついた。
「今日は長い一日だね……」
その声の響きを聞いて、遼太郎もみのりに声をかける。
「山登りもしたし、疲れてますよね?眠ってもいいですよ」
遼太郎が優しく気遣ってくれてるのは分かっていたけれど、みのりは口を尖らせた。
「いーえ。眠ったりしません!遼ちゃんと一緒にいるのに、眠ったらもったいないもん」
みのりの可愛い物言いに、遼太郎の口を綻ばせる。
「じゃあ来る時は、目を閉じてニヤけながら、起きてたんですよね?」
「え…?!私、ニヤけてた?寝言言ってなかった?」
「寝言って、眠ってないと言えませんけど?」
「もう、遼ちゃん!」
こういうやり取りは、遼太郎の方が一枚上手だった。どちらからともなく笑い出し、暗い車内が笑い声で溢れた。