恋の魔法は間違えないで下さい!
桜の魔法のミス!?
高校二年生、4月。

桜の季節。

私は毎年一人で近くの丘のしだれ桜を見に行っている。

今年も満開に咲いているしだれ桜に話しかけた。


「今年も咲いて良かった」


その時、どこかから声が聞こえた。


「お主、好きな奴がいるか?」

「ならば、その恋叶えてやろう」

「ふむふむ」

「桐生《きりゅう》君か」


心の声が読まれたと思った。

桐生君は私の好きな人。

でも、魔法でこの恋を叶えてほしいなんて思わない。


「あの、自分の力で恋を実らせるので大丈夫です!」


そう叫んだ時には、もう声は消えていた。
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