恋の魔法は間違えないで下さい！
「はぁ」

今日も私は花壇の前でため息をついていた。

「音葉、バスケ部のマネージャーになったんだって？」

奏斗くんが花に水やりをしながら聞いてくる。

「うん・・・」

「どうして？バスケに興味あったの？」

「いや、うん、ちょっと興味あって・・」

「園芸部もやってるのに大変じゃない？」

奏斗くんが心配そうに見ている。

「全然！お花の世話、大好きだもん！」

「音葉は本当に花が好きだね」

「バスケ部のマネージャーは結構大変だけど・・・」

「バスケ部ってことは穂高がいるよね？」

私は心臓が早くなるのを感じた。

「そ、そうだね」

「音葉、穂高と話したことあるっけ？」

「ちょ、ちょっとだけ・・」

「穂高、全然僕と違うでしょ？」

「え？」

「明るくて、運動出来て、人当たりが良い。俺も見習わないとなんだけどね」

奏斗くんが少し寂しそうな顔をした。

「そんなことない！奏斗くんは優しいし、よく人のこと見てるし、奏斗くんには奏斗くんにしかない良さがあるよ！」

私はつい大きな声でそう言ってしまった。

「やっぱり音葉は優しいね」

奏斗くんが嬉しそうに微笑んだ。

「音葉、バスケ部で忙しかったら無理しなくていいけどまた一緒に僕と園芸部の活動しようね」

「うん！」

その日は予鈴が鳴るのが早く感じた。
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