「会いたくなったら空を見ろ」
〈根暗?〉

〈なんか面倒くさいの来たぁ〉

〈ついてな〉

〈彩芽と見た目ねー、ダル〉

〈あと、一ヶ月か……。俺の人生〉

息を呑んだ。

〈吉野だるいの連れて来んなや〉

〈人生山あり谷ありってな〉

〈何あの子〉

〈ずっと突っ立ってるぅ〉

〈え、自己紹介それだけ?〉



――あと、一ヶ月か……。俺の人生。



後ろから二番目の席の男子の心の声。

息が荒くなる。

あと、一ヶ月だけ? それってどういう意味……?

もう、周りの心の声なんかどうでも良くなってくる。

ぼーっとしていると、吉野先生が命令口調で指図した。

「武田、一番後ろだぞ、あそこのなぁ?」

「はい、分かりました」

向かう途中、その男子とすれ違った。

ちらっと見ると、視線が合ってしまって慌てて逸らした。

ただ、意外にも顔は整っていて綺麗だったのと、気になることにとても色白だった。病人かと言われればそうも見えるけど、視線があった時のあの笑顔はそうも見えない。

少しのことで、心は読めなかった。
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