アイドルたちに溺愛されて可愛がられて
アイドルのお気に入りにされちゃいました



“新アイドルユニット、デビュー決定!”



朝のニュースで大々的に放送されている。



「ねぇ、愛華(あいか)姉ちゃん!ついにシャイニングがデビューだって!」



そうテレビを見て目を輝かすのは、私の妹の結菜(ゆいな)

結菜は彼らを下積み時代からずっと応援している。

そんな彼らがついにデビューだという。

朝からニュースを見て、ハイテンションの結菜。



「そっか、良かったね」



はいはい、と返事を返す私は、この春から中学1年生になった咲野(さきの)愛華(あいか)

私はアイドルにはあまり興味がない。

かっこいいなとは思うけれど、グッズを買ったりライブに行ったりするような熱量は全くなかった。

だから、結菜のようにアイドルのデビューで気持ちが高ぶることもない。



「愛華姉ちゃんはいいなぁ、学校に芸能人いるんだから拝み放題じゃん!」

「そんなことないよ。学部違うからそんなに会わないし……」



私が通う中学校には普通科と芸能科がある。

私のような平凡な生徒が通う普通科。

そして芸能科には、芸能界で活躍する人やこれから芸能界を目指す人が集まっている。

ちょっと特別な中学校なのだ。



「そうなのー?」

「そうなの。ほら、早く支度しないと学校遅刻するよ?」

「本当だっ、大変!」



結菜は急いで支度をして、「行ってきます!」と元気に家を出ていった。



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