キミの居た世界は。
あれは、桜の花びらが舞っている、
高校の入学式のことだった_。


◇◇◇
私は樋口梓。
今日から世間で言う「JK」になります。
今は、父の車で高校の入学式に向かっているところです。

「……お父さん。」
私は消えそうな小さな声でお父さんのことを呼ぶ。

「ん?どうした、梓。」
今の声で聞き取れたのかと、少々驚く。

「……今まで、育ててくれてありがとう。」
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