それは、10円玉くらいの本当に小さなもので、大切そうに柔らかい布で包んであった。



「ん?」



そっと包みを開いてみる。



お義母さんたちが興味津々見守る中、私の手の中から出てきたものは…―



なんと。




私が彼の指にはめたはずの。







結婚指輪だった。







私はびっくりして、窓際に座るリュウくんにツカツカ歩み寄り、左腕をつかんだ。



「なんだよぅ」



とイヤそうにしたけれど、気にせず指をチェックする。



指輪が、ない。







この数日間、全然気がつかなかった…。



彼が指輪をしていなかったことよりも、それに今まで気づかなかった自分にショック…。






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