ひととおりあいさつが済むと、私たちにも食事の時間がもらえた。



きっと食べられないだろうと覚悟していたので、うれしかった。



彼も同じだったようで、



「立食にして正解だったな!テーブルサービスの披露宴にしてたら、絶対食べれなかったもんなー」



と、満面の笑みで喜んでいた。



せっかくメニューまで自分たちで選んだのだから、思いっきり食べなくては!



「私、さっきまでは緊張で全然気にならなかったけど、気がついてみると、お腹ペコペコだよ」



「俺、もう倒れそう。空腹にビールとかワインがキツかった」



そうだ、彼はあいさつのときに、みんなからお酒を勧められて、信じられないくらいの数のグラスを空けていた。



「よーし!食うぞー!!」



と、威勢よくお皿を手にしたとき。



「おい、リュウ!」



彼を呼ぶ声がした。





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