あの雨の日、橋から飛び降りようとしたのを助けてくれたのは"君"でした
「……」
「どうしたの?早く行こう!雨が強くなる前に」
悲しそうに笑った幸希先輩。
今日は幸希先輩の誕生日だ。
先輩の悲しい顔なんて見たくない。
だったら今日は…見なかったことにすればいい。
帰り際にでも聞けばいい。
今は…幸希先輩の楽しいことを考えなきゃ!
「今日はですね…」
──その決断をした僕はきっと一生後悔するだろう。
あの時にちゃんともっと…踏み込んで書いていればよかった。
そしたら…あんなことにはならなかったのかな?

「優星、ここ景色綺麗だね!」
「ですよね!僕のお気に入りの場所なんです!幸希先輩に見せたくて!」
「…そっか、ありがとう!」
よかった、笑ってくれてる。
さっきのはきっと何か理由があったんだよな?
……きっと。
でも……。
「優星!写真撮ろう!」
「はい!」
……幸希先輩は本当に僕には何も…何も話してくれない。
いつも僕ばかりだ。
幸希先輩のことをもっとたくさん知ってわかりたいのに……。
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