あの雨の日、橋から飛び降りようとしたのを助けてくれたのは"君"でした

ある雨の日の出会い


その日は雨が降っていた。
僕は傘をささずに真っ直ぐに"ある場所"へと向かっていた。
そんな僕に雨が痛いほど叩きつける。
雨も痛いけどそれと同じくらい…いや、それ以上に僕の心も痛くて苦しかった。
「……っ」
雨はずっと…ずっと降り続いていた。
まるで雨が僕の心を他界に誘うような感じで僕がそちらに逝くまで雨は永遠に降り続くかのようだった。
雨が…僕の背を押してくれている。
なんて変なことを考えていたら目的の場所に到着した。
「…もう疲れた」
そこは橋…だ。
橋のすぐ真下には川が流れていて、川の深さは足は着くが石がたくさんあるので打ちどころが悪ければ死ぬ…という場所だ。
ここで亡くなった人が何人いるのだろうか。
…少なくとも1人はわかる。
それは今から飛び降りて死のうとしている僕なのだから。
僕は橋に手をかける。
「…一瞬かな……?」
痛いのは嫌だった。
苦しむことなく死にたい。
そう思ったがそれが難しいということは僕は知っている。
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