冷酷な軍人は没落令嬢をこよなく愛す
次に向かったのは、真子が通う尋常小学校だった。

正臣が駐車場に車を停めて、香世も降りるように言ってくるが…

「私は真子ちゃんの母でも姉でも無いので、
一緒に着いて行っても良いのでしょうか?」
正臣を見上げ問いかける。

「それを言ったら俺だってただの身請け人だ。真子の身内代わりだと思って、堂々と着いて来い。」

そう言われるので、香世は真子と手を繋ぎ小学校の職員室に着いて行く。

無事に学校入学の手続きは終わり、
4月の新学期から真子は小学校の1年生として、めでたく通う事になった。

本来なら10歳のため3年生なのだが、
学力を考慮してまずは基礎から学ぶ事になった。

ここは龍一も通う事になっている小学校だと、香世はふと思う。
本当に、同じ教室になるかもしれないなと嬉しく感じる。

龍一の姿が見れなくても、真子から様子を伺う事が出来るのならばとても嬉しい。

< 59 / 279 >

この作品をシェア

pagetop