生徒会長さんの溺愛、とめられない。



ふわふわ、あったかい……。


私を包む、柑橘系のいい香り。


………私って幸せだなあ。

先輩に抱きしめられるたびに、そう実感する。


目を開けると、大好きな人が目の前に。


『一生愛すからな、覚悟してろよ』


甘いセリフに、耳が痺れる感覚がする。

それですら、心地よく感じて。


『大好きです、先輩……』


こんな素敵な人に愛されるなんて、私は幸せ者だ。


まるで、夢みたい……。




夢?



………ガバッ!!



目が覚めると、私は図書室の机でうつ伏せていた。

時計の針が指しているのは17時30分。


午後5時半……!?

私が来たのは4時だから……。


計算してみると、顔がさあっと青くなる。


「私………1時間半も眠ってたんだ……」


な、なんだか幸せな夢だったけれど………。


お、思い出すだけで恥ずかしいや……。

今度は顔が真っ赤になり、思わずうつむいた。
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