【中】今さら、付き合いたいなんて。

「お前変に真面目なとこあるからさ、入学式行ってるかと思って私も来たんだぜ。ふけんならゆっくり来ればよかったわ」


「そ、そうなんだ? それはごめん」


「ハッ、何謝ってんだよ! 私が勝手にしたことだろ」




ピアスをつけた口を笑ませて、芹香は私の肩をパシッと叩きます。

そのまま肩を組まれて、芹香の無造作に伸ばした茶髪が私の金髪と重なりました。

きつい口調と裏腹の垂れ目が、ギャップと色気のようなものを醸し出しています。




「管さん、與那城(よなしろ)さん。自己紹介中です、席に座ってください」


「あ? うっせーな」


「芹香、後で話そ。今は邪魔入るし」


「チッ、しゃーねーな。んじゃな」

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