【中】今さら、付き合いたいなんて。


「ぃ、ぃゃ……っ!」


「あぁ~ん? 聞こえねぇなぁ」


「女ってのはこうなると途端に弱くなるよなぁ」


「怖くないぜ~? リンチしようってわけじゃねぇんだ」


「っ……!」




嫌です。嫌です……!

誰か、助けてください……っ。


八雲くん……っ!


涙を流しながら目を瞑ると、タッタッタッと足音が聞こえました。




ドカッ


「ぐぁっ!?」


「な、なんだ!?」


「てめぇっ、なんでここにっ!?」


「……っ?」




男性達の慌てた声に、薄目を開けて何が起きたのか、確認しようとした時です。

ジャリッと、私のすぐ前から音がして、同じ学校の制服を着た足が見えました。




「こいつに触んじゃねぇ」


「や、八雲……く……」




私に背を向けて立った八雲くんは、低い声でそう言うと、男性達に殴りかかりました。



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