【中】今さら、付き合いたいなんて。
「今は授業中ですよ。遊ばないでください」
「来たな、優等生。鬱陶しいんだよ、お前!」
ブシュッ
「あっ、避けた! 大人しく水被れってーの!」
ビシャッ
「もう一度言います。授業中ですよ」
私達担当として地位を築きつつある八雲くんは、水ビームを避けて素っ気なく注意します。
この敵、手強いです……!
芹香とアイコンタクトを交わした私は、八雲くんが水を被るように、2人で手を組んで水ビームを浴びせ続けました。
キーンコーンカーンコーン
「クッソー、マジで当たんねぇぞ、こいつ!」
「いい加減当たれバカー!」
ビシャーッ
「全く……粘り勝ちされてしまいましたね」
私達は授業が終わるまで水道を占拠し続けたものの、八雲くんに水を被せることはついぞできませんでした。
今回もひらりと水ビームをかわした八雲くんは、校舎についた時計を見て溜息を吐きます。