酔いで寄りたいの。

ある夜の部屋で

悠介にはきっと、私の気持ちは見透かされてる。

「好みじゃない」なんて嘘だってこと、気づかれてる。

その上で家に入れてくれてる。

「俺らってほんと、綺麗じゃないね。」

「うん。」

「まあ、そんなの俺ららしくないけどね」

「…はやく」

そんな私の言葉に、ふっと笑った悠介。

お酒の力があったとしても、言っちゃいけないことはわかってる。

私だけ見てほしい、なんて言葉にしちゃいけない。

でも、思ってしまう。
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