推し一筋なので彼氏はいりません
第三章
最終話
春休みは先輩が度々会いに来てくれて、特別どこに行くわけでもなかったけど、休みの4割くらいを先輩と過ごした気がする。
今日から私の学校は新学期で、私は3年生になる。
先輩も明日入学式らしい。
「おはよう、愛衣。」
「おはよう、菜々春。」
「春休み楽しかった?」
「うん。菜々春は?」
「いい加減受験勉強しなさいって親に塾連れていかれて、7割くらい塾にいた。」
「それはそれは……。お疲れ様です。」
「ありがとうございます。
もうクラス見た?」
「見たよ。一緒のクラスだった。」
といっても文理でクラスが別れているから、同じ文系の菜々春とは3分の1で同じクラスになれるんだけど。
「やったね。
あとは担任だな。受験勉強急かしてくるタイプじゃないと嬉しい。」
「いやどの先生も急かすんじゃない?」
「え、うそ。母親だけで十分なんだけど……。」
「菜々春はやれば出来るタイプだからみんな期待しちゃうんだろうね。」
「まあねぇ、できちゃうからね〜。」
「そうそう。」
「もう愛衣は進路決めた?」
「うーん、まあ、なんとなくここかな〜って思ってるところはある。」
「それってもしかして佐山先輩と同じとこ?」
「うん。学力足りるかが心配だけど。」
「愛衣ならいける!
でもそっか〜。そうなると来年からは違う学校だね、きっと。」
「菜々春も進路決めたの?」
「まだだけど、愛衣と同じところは絶対無理。
そんなに遠すぎないところにしようとは思ってるから、別々の学校受かっても定期的に会おうね。」
「それはもちろん。」