宮野くんに伝えたい想い~夢の世界から戻る方法は『好き』を伝え合うこと
 夕方、家に着いた。

 それぞれ自分の家で着替えたりして、私は宮野くんの家へ。

 ふたりでリビングのソファーに座ってちょっと休憩。

「さっきはどうしたの?」

 宮野くんが質問してきた。

「なんかね、嫌な気配がして」

 またウソついちゃった……。

「そっか……この世界ではそういう直感とか、大事かもね」

 信じてくれている。
 ごめんね、宮野くん。

 ウソとごめんねがどんどん重なっていく。
 重なるたびに、心がモヤモヤした霧でいっぱいになっていく。

「宮野くん、迷惑ばかりかけてごめんなさい」
「迷惑? いつかけた?」

 宮野くんは驚いた顔をしながらこっちを見た。

「……ここに来てからずっと。私と一緒にいるの、嫌じゃない?」

「いや、ひとりじゃ心細かったし。それに小松、ここの世界で俺以外と会話出来るじゃん。助かってる。色々、ありがとな!」

 宮野くんはまっすぐで優しくて。
 だけど私はウソをついて……。

 宮野くんの、その言葉を聞くだけで泣きそうになる。


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