乙女は今日も夢を見る
「か、彼氏…?」
「そそ。彼氏♡高梨さんくらい可愛いなら絶対いるだろうな〜って♡」
語尾にハートマークをつけて、可愛らしく問いかけてくる花木さんに私は顔を強張らせた。
「あ!てか、私高梨さんに聞きたいことあったんだけど…この前、駅近くの進学校の制服来たイケメンが正門の前に立ってて…しかも、高梨さんと話してるのを見たって言う目撃談があってね…!もしかしてそのイケメンが彼氏だったりして〜?」
駅近くの進学校の制服…正門ってもしかして咲人のこと!?
興味津々で目を輝かせている皆の誤解を解かねばと思い、「いや、あの人は彼氏じゃ…」と慌てて口に出した時。
――キーンコーンカーンコーン。
無情にも始業のチャイムが鳴り響く。
「やば。担任来るよ!唯南も席戻んな〜」
「うん。じゃあ、皆またあとで」
結局、説明しようとした途端、チャイムが鳴ってしまい、咲人の件も上手く皆に説明することができなかった。
なんだかんだタイミング悪くてうやむやになっちゃったけど…。
まぁ、皆そこまで私の恋愛に興味ないだろうし…とりあえずいっか。