捨てられた妃 めでたく離縁が成立したので出ていったら、竜国の王太子からの溺愛が待っていました
「私のお嬢様に何をする気だ?」

 そう言ってアレスがケルベロスに手をかざしたかと思えば、あっという間に災害級の魔物を氷漬けにしていた。

 うちの専属執事が……強すぎるわっ!!
 助けた男性も驚きすぎて固まってるじゃない! ああ、いけない回復しないとよね。

「大丈夫ですか? 今回復しますから、少しジッとしていてくださいね」

 収納ポーチから回復魔法が込められた指輪を出して使用する。大きな怪我はなさそうだと一安心して声をかけた。

「他に痛むところはありますか? ほとんど治せたと思うのだけど……」
「あっ、ありがとうございます! それよりもすごいですね、さっきの攻撃魔法を放った魔道具を初めて見ました」
「ああ、私のオリジナルなんです。あら、貴方も竜人なのね。私ラクテウスで魔道具屋を開いてるのよ」
「そうなんですか!?」

 氷漬けにしたケルベロスから素材を回収したアレスがやってきて、男性に話しかける。

< 101 / 239 >

この作品をシェア

pagetop