捨てられた妃 めでたく離縁が成立したので出ていったら、竜国の王太子からの溺愛が待っていました
 いつからなのか……思い返してみれば、初めて会った時にあの夜空の様な瞳に心を奪われた。それからずっと側にいてくれて、変わらず大切にしてくれている。
 それを他の人に向けられるなんて嫌だと、私だけ見ていてほしいと思ってしまった。


「確かに……そう言われると……これが愛してるなの?」
「ええ、はたから見ててもわかりやすかったです」
「えっ!? そうなの!?」
「だってロザリア様はアレス様にだけは全然違う反応でしたから。だから番として伴侶になってないのが不思議でたまりませんでした」

 ここに来て何という衝撃の事実だろう。そんなに態度に出ていたのだろうか? ということは、もしかして。

「まさか……みんな気がついて……?」
「はい、竜王様もサライア様もカイルも伴侶になられるのを楽しみにしてますよ」
「なんて事……もしかしてアレスも気がついていたのかしら!?」
「一生懸命考えてるロザリア様が可愛くてたまらないって惚気られました」
「嘘でしょう!?」

 こういう時にピッタリな表現を知っている。
 穴があったら入りたい、だ。

 ジュリア様には相談のお礼に前から欲しがっていた魔道具を渡してお帰りいただいた。その後ひとりになった部屋でのたうち回ったのは言うまでもない。
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