捨てられた妃 めでたく離縁が成立したので出ていったら、竜国の王太子からの溺愛が待っていました
 そうね、一応ギリギリでしたけど最低ラインは履修されたと聞いてますわ。お陰さまで私に魔法応用や苦手な属性の習得も求められて、すべての属性が扱えるようになりましたもの。

「王立学院ではの成績は? ああ、ちなみに私は入学から卒業まで魔法学に限らず首席でございましたわ」
「ぐっ……そこそこだっ」

 そこそこ? 底の底ではなくて? 私の学年の時は順位の貼り出しがあったけど、ウィルバート殿下の学年から王家の面目を保つために順位が貼り出されなくなったと聞きましたわ。以前、王妃様が愚痴っていらっしゃったけど、私が知らないと思っているのね。

「学園を卒業後、魔法の訓練をなさいましたか? 剣や肉体の鍛錬は?」
「そんなもの王太子として忙しくて……」

 忙しい? 王太子として忙しいとおっしゃいましたの? ああ! そうね、王太子としてのあるお役目だけは必死にこなされていたわね。

「忙しい……ふふ、そうですわね、愛妾とイチャつくのにお忙しかったのですわね」
「うるさいっ! お前の一族ごと処刑してやるぞっ!」
「できるものならやってみなさいな」
「何だと!?」

 もうそんな脅しには屈しない。
 私は私の大切な人たちを守り抜くと決めたの。

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