捨てられた妃 めでたく離縁が成立したので出ていったら、竜国の王太子からの溺愛が待っていました

2話 専属執事を拾いました


 男の子を拾った。

 彼の瞳はまるで星が煌めく夜空のようだった。
 初めてあんなに綺麗な瞳を見た。
 
 気がつけばその儚く美しい瞳に一瞬で心奪われていた。



 あの日、王太子の婚約者である私は王城で妃教育を受けていた。
 やっとすべての授業が終わり迎えの馬車で帰路につく。やがて太陽はオレンジ色の光に変わり馬車の中を照らしていた。

「はあ……帰ったら宿題を済ませて、明日の予習をして、それから来週が期限の刺繍も進めなくちゃ……うう、魔道具の開発に充てる時間が取れない」
「ロザリア様、応援してますよ」

 毎日付き添ってくれる護衛騎士セインの言葉にがっくりと項垂れる。
 私、ロザリア・スレイドは十五歳でひとつ年下のウィルバート王太子殿下の婚約者となり、ちょうど一年たつ。

 父が治める伯爵領では魔石鉱山があり、昔から魔石の採掘と魔道具の開発で潤ってきた。父は魔道具開発の第一人者で、我が家に訪れるいろんな国の学者から話を聞くのがとても楽しかった。

 そんな私が魔道具の開発に手を出すのは当然の流れだと思う。
 十二歳の頃たまたま父の目に入った私が開発した魔道具を売りに出してみたら大ヒットして、それからは好きにやらせてくれていた。
< 3 / 239 >

この作品をシェア

pagetop