幸せを受け止めて~騎士団長は月夜に淑女をさらう~

気になる彼女

その後まもなくして輿入れしてきたジゼル王妃の護衛として、
クララは活き活きと働いていた。
顔に生気が戻り、声にも張りが出てきた。
騎士団の朝練にもきっちり顔を出して、
ギュンターにもちょくちょく近況を報告してくれる。

活き活きとした表情のクララを見るたびに、
王妃の護衛に推薦して本当に良かったとギュンターは思うのだった。

「それでですね、団長。」
いつものように近況を報告していたクララの表情が幾分陰る。
「ん?何か悪いことでもあったの?」
「悪いことと言いますか、王妃様に乗馬を教えてほしいと言われまして。」
「王妃様が乗馬?」
王妃が馬に乗りたいというのはギュンターには意外だった。
ギュンターから見てジゼルは色白で大人しそうで、いかにも深窓の姫君という印象だったからだ。
「現実的に危ないからダメだよ。落馬でもしたらどうするの?」
「私も団長と同意見で反対したんですけど、王妃様が譲らなくて。国王陛下からの許可があればお教えしますと言ったのですが・・・」
「それで?」
嫌な汗がギュンターの頬を伝う。
「王妃様が国王陛下に確認したところ、ルールを守ればOKだと言われたそうです。」
クララの言葉に、ギュンターは思わずため息をつく。
(ユリウス。気軽にOKしてんじゃねぇよ!)
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