捨てられた妃 めでたく離縁が成立したので出ていったら、竜国の王太子からの溺愛が待っていました2
 とにかく竜王様もとても喜んでくれて、今は量産化に向けてさらに研究を進めているところだ。
 つわりも落ち着いてきたので、そろそろラクテウスに戻ろうかとアレスとも相談している。

 それから一週間ほどして、やっとティファニーにも会うことができた。
 ティファニーは淡い紫の髪をポニーテールにしていて、いつも凛としている。王立学院でセシリオと出会ったと聞いたけれど、もっと幼い時からセシリオが片思いしていたのを知っている。

 桃色の瞳を嬉しそうに細めて私の懐妊を祝ってくれた。ふたりが結婚するのを楽しみにしていると返したら、真っ赤な顔で頷くものだから思わず抱きしめてしまった。

 このままずっと、みんなが笑顔のまま過ごしたい。
 私も海の女神にお願いした通り、願いが叶っていきそうだ。それがわかるのは私が天に召される時だろう。
 ずるい願いだと思う。でも私はもうこの幸せを手離したくない。

 愛し愛され、互いを思いやり、笑い合える日常が当たり前でないことを知っている。
 この幸せを、私の大切な人たちを守れるのなら。
 私の最愛の夫アレスを、今はまだ小さな命を笑顔にするために。
 誰にも屈せず、誇り高く、誠実で清らかに。
 これが私の生きてきた道だと、我が子に胸を張って言えるように。
 これからも私の心ままに歩んでいく。 

 ——そう心に決めた。


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