捨てられた妃 めでたく離縁が成立したので出ていったら、竜国の王太子からの溺愛が待っていました2
 自ら行けるのなら喜んで探しにいく。情報も大切な資産のひとつだから、店主の機嫌を損ねないよう丁重にお願いした。

「ハハッ! お前さんたちは気に入ったから、そんなもん必要ねえよ」
「ありがとうございます。教えていただければ、自分たちで交渉しますので大丈夫です。どこにいけば探せますか?」
「まず、イーグルアイはここから西にあるグラシア領の鉱山で採掘されている。だけどそこを管理する貴族がケチな野郎で、オークションにしか出さねえんだ。出荷も制限しているみたいで、ただでさえレア素材なのに余計手に入らなくなっている」

 なるほど、商品価値を限界まで高めて売っているということだ。帝国の貴族が運営するオークションなら、ハイレット様に頼めばなんとかなりそうだ。

 ただ、もともとレア素材で価格が高いものなのに、オークションとなるといくらまで値が上がるのか予測できない。場合によってはかなりの金額になるのだ。 

「そうですか……オークションだと高額になりますね」
「お嬢様、金額でしたらなにも心配いりません。いくらでもかまいませんので落札してください」
「へえ、兄ちゃん太っ腹だな!」
「愛しい妻のためなら当然です」

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