捨てられた妃 めでたく離縁が成立したので出ていったら、竜国の王太子からの溺愛が待っていました2
 ここまでの話の流れで察することができない残念な頭の妹に、わかりやすく説明してやる。この様子では、実行部隊も合わせてつけてやらないといけないようだ。

「そんなもの、アレスと同じように始末してしまえば簡単だろう?」
「ふうん……そうね。そうすればわたくしが王妃になって、世界一の男を伴侶にできる……」

 セラフィーナは新しい未来を想像して、ニヤニヤと笑みを浮かべた。あのアレスの父になるのだから、見目がいいのは想像できる。自分にとってプラスになると理解したようだ。
 最後のダメ押しで、優しく囁いた。

「お前はラクテウスの王妃にこそふさわしい」

 こう言えば、セラフィーナがどうなるのか手に取るようにわかる。

「わかったわ。明日にでも皇城に戻るから、アレスの始末は頼んだわよ。あの男、絶対に許さないから!」
「それは私に任せろ」

 新たな計画に沿って、私は慎重に行動を始めた。



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