転生公爵令嬢のイチオシ!

謎のゲームの中は真っ暗だった。
え?お化け屋敷!?

「レ、レイ様!」

「メリアーナ!こちらへ!」

途端にパッと明るくなった!

「!!?」

《皆様大変お待たせいたしました!特別ゲームの開催です!》
《今、話題のアツアツカップルと言えばこのおふたり!》
《題して『大切なお姫様を救え!』》
《ストライブ様には勇者となり、メリアーナ姫を助けていただきます!》
《私実況のリエッタでございます!よろしくお願いいたします!》

『ワァー!』『キャー!』と客席も盛り上がっている。

レイ様に抱き寄せられたままふたりで呆然とする。

「え!? 何コレ!?」

「どうやら強制参加らしいね」

レイ様、笑っているけど皆が見てるよー!
もう!だから教えてくれなかったのね、里英ちゃん!

周りを見ると部屋の中のようだけど、何もないわ。
これで脱出ゲームなの??
お化け屋敷じゃなくて良かったけど…。

しかもマイクなんてあったの?この国!?
広い講堂Bの半分のスペースでも里英ちゃんの声が響いているわ。

《皆様、私の声が聞こえるでしょうか?》
《こちらは我がマクラナ伯爵家が開発した“マイク”という物です》
《ご興味ある方はぜひマクラナ伯爵家までご連絡くださいませ!》

作ったの!?
設営の時の職人さんも面白がってたし、マクラナ伯爵家って何してるの!?

《まず、勇者ストライブ様にはこちらが出す三択問題を答えていただきます!》

レイ様が答えるのね!

「レイ様、私のクラスのゲームを見に来たばかりに!ごめんなさい!」

私はまだレイ様の腕を掴んだまま謝った。

「フフ、頑張ろうね」

ニコリと笑い私の頭を撫でてくれた。
うう、レイ様!ありがとう!

《では問題です!》
《『ストライブ様』なら簡単な問題ばかりですよ!》
《メリアーナ姫が好きな色はどれ?》
《A濃茶、B紫、Cどちらも》
《どうぞ!》

「…C」

レイ様がチラリと私を見たあとに顔を少し赤くして答える。

《正解です!!》

『キャー!』とオーディエンスも盛り上がる。

「…ッ!」

正解だけど!!
恥ずかしいよ!

《次です!メリアーナ姫の好きな男性のタイプは?》
《A可愛い人、B我が儘な人、C怖い人》
《どうぞ!》

「…A」

《正解です!!》

せ、正解だけど!!
手を握りしめてプルプル震える!

《次です!メリアーナ姫が大切にしている時間はどれ?》
《Aお昼の時間、B授業の時間、Cラブラブな放課後の時間》
《どうぞ!》

「…C」

《正解です!!》

もう!正解だけど!!
まだ続くの!?
俯いてプルプルする。
もう顔が真っ赤である。

《次です!昨日熱烈な演奏を披露してくださったストライブ様!》
《今、最も熱い心震えるその曲はどれ!?》
《A楽しい曲、B情熱的な愛の曲、C悲しい曲》
《どうぞ!》

「……B」

《大・正・解です!!》

『キャー!』とオーディエンスも騒いでいる。

これにはレイ様も少し顔が赤くなった。
私はもっと赤いけど…。

《簡単な問題ばかりでしたね!》
《ではつぎの部屋へ移動してください!》

部屋の扉に向かうと、扉を開けてくれたクラスメイトのご令嬢と目が合った。
とてもニコニコしてて楽しそう…。

「頑張ってね!」

小声で応援された。

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