君が導き出してくれた私の世界

はぁ……最悪。

学校に着くと、思わず深い溜め息がでた。

昇降口にて靴を履き替えようと靴箱の蓋を開けると、そこには上履きがなく、もぬけの殻だった。

辺りを見渡すと、上履きは近くのゴミ箱に捨てられていた。

他のゴミと混じっていた為か少々汚れがついていて、元気なさそうに少しくたびれていた。

……なんだか、今の自分の心情を表しているみたい。

上履きを拾って汚れを手で払い落とすと、それを履いて教室へと向かう。

これは、今に始まったことではなく、最近は毎日こういった嫌がらせが続いている。

休憩時間にトイレで席を外していた時、筆箱の中から消しゴムが抜き取られていたこと、教科書の一部が破られていたこと。

他にもたくさんあるが、それらを先生に伝えるどころか声を出せもしない私。

それを逆手に取って、いじめは今もなお続く。

誰がこんなことしたかはだいたい予想できてる。

思い浮かぶのはあの2人しかいない。

嫌がらせが始まったのも、この前の出来事があった次の日からだったし、原因はあの時謝ることができなかった私なのかもしれない。

自業自得とも言えるだろう。

もう、ますます学校が嫌になってくる。
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