【コンテスト作品】たこ焼き屋さんの秘密。


「お姉さんには特別にチーズ多めにしておくね」

「え?いいの?」

「うん。お姉さん、いつも買ってくれるから」

「あ、ありがとう」

 たこ焼き屋のお兄さんは笑顔がステキなんだけど、汗を流しながらたこ焼きを焼く姿が凛々しくてステキだ。
 一人でこのお店をやっているみたいで、たまに手伝ってくれる人もいるらしいけど、基本は一人だそうだ。

「お待たせしました。六五〇円です」

「はい」

 たこ焼きの袋を受け取って、千円を渡し、三五〇円のお釣りを受け取った。

「熱いので気を付けて食べてくださいね」

「ありがとうございます」

「ありがとうございました!」

 今日も元気なたこ焼き屋のお兄さんは、忙しそうにたこ焼きを焼いているけど、休憩をなかなか取れなさそうだから心配になる時がたまにある。
 定休日とかも特に設けてないみたいで、ほとんど毎日いるから、いつ休んでいるのか、どうも気になって仕方ない。

 玄関に鍵を差し込み、玄関のそばの電気を付けて、リビングへと向かう。

「ただいま〜」

 リビングに行くと、まずはハンドソープで手を洗い、部屋着に着替える。

「よし、これこれ」
 
 そして冷蔵庫から冷え冷えの缶ビールを取り出す。
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