恐怖の先に待ち受けて居るのは……
「じゃあ、ずっと居たってこと?理科室に」
「うん、居たよ」
「怖くなかったのか?」
「怖くないよ?」
「そうか」
俺はこの時不思議に思っていた。
なんで、友達がここに居たのか。
それに、アイツ急なバイトが入ると出られないんだよなー
でも、嘘って言ってたし……
この時、早く気づけば良かった。
今目の前には、噂の男子がいることを。
「なぁ、もう帰ろうぜ?噂は嘘みたいってことでさ」
「……」
「竜也?」
「……」
「聞いてんのか?」
「……」
「ねぇ、心臓……ちょうだいよ」
「またまた、そんな冗談を」
「冗談じゃないよ」
暗闇で友達が笑ったように感じた。