恐怖の先に待ち受けて居るのは……


「じゃあ、ずっと居たってこと?理科室に」

「うん、居たよ」

「怖くなかったのか?」

「怖くないよ?」

「そうか」


俺はこの時不思議に思っていた。

なんで、友達がここに居たのか。

それに、アイツ急なバイトが入ると出られないんだよなー

でも、嘘って言ってたし……

この時、早く気づけば良かった。

今目の前には、噂の男子がいることを。



「なぁ、もう帰ろうぜ?噂は嘘みたいってことでさ」

「……」

「竜也?」

「……」

「聞いてんのか?」

「……」

「ねぇ、心臓……ちょうだいよ」

「またまた、そんな冗談を」

「冗談じゃないよ」


暗闇で友達が笑ったように感じた。


< 17 / 59 >

この作品をシェア

pagetop