クールな救急医は囲い娶ったかりそめ妻に滾る溺愛を刻む【ドクター兄弟シリーズ】
トイレに行くのも意を決してという感じで、料理はとても無理そうだ。

朝と昼は常備してあった食パンをそのままかじり、ソーセージをレンジで温めるだけの味気のないものでしのいだ。

なにせ利き腕がうまく使えないので、卵も割れない。

それに傷の疼(うず)きと精神的なダメージのせいか、まったく食欲がなくて困った。


それでも食べなければ回復しないと思い、レトルト食品をネットスーパーで購入した。

夕方になって配達されたものを玄関から運び、冷蔵庫に入れるだけでも傷がズキズキ疼いて冷や汗が出る。

徐々に痛みが引いていくとばかり思っていたけれど、ひどくなってきた。

特に右腕の痛みは相当で、腐り落ちてしまうのではないかと思うほど。
次の外来までこのままにしておいて大丈夫なのだろうか。

これほど大きなケガをするのは初めてでなにもわからず、恐怖ばかりが頭を駆け巡った。

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