クールな救急医は囲い娶ったかりそめ妻に滾る溺愛を刻む【ドクター兄弟シリーズ】
「嫌……。触れないで。お願い、離れて!」


左手をつかまれて振りほどくも、バランスを崩して倒れてしまった。

倒れた衝撃で全身に強い痛みが走る。

泣いたらダメだ。弱みを見せてはつけあがる。

歯を食いしばり、立ち上がろうとしたそのとき。


「大丈夫か!?」


別の男性の声がして、助かったと安堵の涙がこぼれた。

私の肩に手を置いて「つかまれ」と言ったのは、淡いブルーのシャツにジーンズ姿の堀田先生だ。

堀田先生が私たちの間に少し乱暴に体を割り込ませたのに驚いたのか、藤野さんは一歩あとずさった。

堀田先生は私がおびえているのに気づいたようだ。


「追い返していい?」


小声でそうささやかれてうなずくと、脇に手を入れて立たせてくれた。
そして放心して立ち尽くす藤野さんをにらみつける。


「俺の女になんの用だ」
「はっ?」
「俺の女になにをした」


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