「先生」って呼ばせないで
「ねぇ、もう疲れた。やめよう、補習。長すぎない?」


廉くんと一対一で教えてもらえるのは嬉しいし、分かり易いけど、疲れた!


「んー。あと1問頑張れ」


教壇に立っていたはずの廉くんは、いつの間にか隣の席に座っていて、2つの机の距離は時間が経つとともに縮まっていった。


今はゼロ距離。


至近距離に廉くんの綺麗な整った顔があって、正直ドキドキしてる。


だから疲れちゃったのかも。


「頑張ったらご褒美ちょうだい?」


「ご褒美?何がほしい?」


「え?」


冗談のつもりだったんだけど…。


いつものように冷たくあしらわれる想定で言ってみたのに、想定外の返答に困る。


廉くんは、そんな私を見てフッと笑って言った。


「自分で困るようなことを言うなよ」


…。


廉くんの方が一枚上手だった。


「…なんか負けた気分…」


つまんないのー。


廉くんを困らせようと思ったのに、逆にやられちゃった。
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