「先生」って呼ばせないで
私が歩き始めると、廉くんは意外にも歩幅とスピードを合わせて歩いてくれた。


忙しいからスタスタ歩かされるのかと思っていたから、少し意外だった。


「好きな人がいること、怜は知ってんの?」


「ううん。話してない」


廉くんの方から話題を振ってくれたことも、意外だ。


でも、これが昔から知ってる廉くん。


教師としての廉くんじゃなくて、お兄ちゃんの幼なじみとしての廉くんだ。


「廉くんはさ、彼女いるの?」


顔を覗き込んで尋ねると、廉くんは顔を強張らせて立ち止まってしまった。


「…いない」


…怪しい。
 

「その反応は絶対いるでしょ。いいな〜廉くんの彼女。絶対幸せだよ」


「…さぁな」
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