大嫌いなキミに愛をささやく日
「しかるべき事……」

「なぜ凛がいなくなったのか、なぜ凛はその目的地を目指したのか――

その目で耳で、凛の全てを救っておいで」

「……」



救う――



それは、大げさな言葉に思えたし。

自分ひとりには、重すぎる言葉にも思えた。

だけど煌人は一切の迷いなく、力強く頷いてみせる。

そして――



「俺が必ず連れて帰ります」



ためらいなく言い切った煌人の顔を見て、お父さんも頷いた。

そして煌人の連絡先に、とある地図を送るのだった。


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