1500万年後のあの場所で君とまた出会いたい
最初からそう決まっていた。俺は人々の最大の不安であり恐怖である竜を倒したい。倒して、皆が安心して暮らせるようになるのならそれでいい。
「タラニス……そんな、」
マリアが信じられないという顔をしながら俺を見ていた。さっきまで顔を見せようとしなかったアルベスもこちらを向き、とても驚いていた。
そしてゆっくりと体を起こした。
「タラニス…。それがお前の本心か……」
「はい。そうです」
俺は迷わずに答える。今までとは全くスケールの違う戦いになる。人間と竜が戦うなど、結果はもう見えている。それでも俺は、俺を信じて戦いたい。その思いを全て、アルベスとマリアに伝えた。
2人は認めてくれた。そして英雄となったことをこれほどまでにと言うほどに褒めてくれた。その日、俺はアルベスの家に泊まった。
竜討伐の日がもう、明日に迫っていた。だがタラニスは不思議なほどにこの3日間、よく眠れた。
朝が来た。1人のまだ幼い少年が、全てを背負って竜の討伐への旅を始める────。