1500万年後のあの場所で君とまた出会いたい
それでもどんな人生にも、俺の隣には俺が大事にしたいと思える人がいるかもしれない。紗英のように。
俺は100万回生きることより、そういうものを大切にしていきたい。
「紗英、これからもよろしくな」
「はぁ……、私、何だかお兄ちゃんと1500万年くらい一緒にいなきゃいけない気がする……」
そう頬をげっそりとさせて紗英は項垂れた。その言葉を聞いた俺が、目を見開いていることを知らずに。
「じゃあ俺は、100万回紗英を幸せにすることを誓うよ。そして、どんな時でも紗英のことを守って見せる」
それは紗英に向けて言った言葉でもあった。でも俺は、本当は自分の心の中にいる、マリアに向けて誓ったんだ。
離れていても、俺は絶対に君の側にいると誓う。
どんな時でも、君だけを愛し抜くことを誓う。
そう、ずっと前から決めていたんだ───。
「えぇ〜、私ちょっとシスコンのお兄ちゃんは好きじゃないなぁ」
そう少し嫌そうに、そして照れくさそうに、でもどこか嬉しそうにそう言った紗英は耳を触った。
その癖が、マリアそっくりだったから。照れた時のマリアの可愛い癖に似ていたから、俺はまた、心からの笑みを浮かべることが出来たんだ。
わざとじゃない、本心からの笑みを────。
Side End.