1500万年後のあの場所で君とまた出会いたい
「俺は100万回、生きている」
────!?蒼佑の口から紡がれた言葉が、理解出来なかった。
「100万回の命を繋いで、やっと辿り着けた。やっと、再会出来た───。羽琉に」
意味が、分からなかった。だって───、何で──。嘘だ、と思った。信じられる訳がなかった。でも蒼佑の真っ直ぐな瞳が真実を物語っていた。
「私は…、蒼佑のことを知らなかった」
「分かっている。羽琉は、俺と生きた記憶を全て、失った」
そんなことが、あるのだろうか。確かに私は前世の記憶と共に生きている。でも、蒼佑のことは何一つ覚えていない。なんで、どうして…。
「羽琉、知ってるか……?俺と羽琉はずっと昔に、もう出会っていたってこと」
「……俺たちは昔、幼馴染だったんだ。羽琉は、昔、俺が死んでしまったことに絶望した。そして自分も、命を絶った。だから羽琉が俺を忘れていても仕方のないこと、……」
「ならどうして、…蒼佑はそんな顔をしているの?どうして、そんなに辛そうなの?」
私は、蒼佑の言葉を遮った。私だけが蒼佑のことを忘れているなんて、そんなの悲しいじゃない。
「蒼佑、もう……いいんだよ。無理して悲しみに耐えなくても。私は蒼佑のこと、ちゃんと思い出したい」
私が忘れてしまっている、蒼佑との大切な過去。正直、思い出すのは怖い。過去に何が起きてしまったのか、知るのが怖い。
それでも私は、思い出したかった。私のこの100万年を生きた年月の意味を、知りたかった。私の命は、無駄じゃなかったって……、蒼佑のことを思い出せたら、知ることができると思ったから。
私の言葉を聞いた途端、蒼佑の顔が酷く苦しげに歪んだ。それから蒼佑は破顔して、私の肩に顔を埋めて苦しそうに肩を震わせた。体中の悲しみを外に流すように、長い時間をかけて泣いていた。
どれくらいが経ったのだろう。もうずっと抱き締め合っているような気がする。肩から重みがなくなったことを感じて、蒼佑が顔を上げたことを悟る。