愛してると言わせたい――冷徹御曹司はお見合い妻を10年越しの溺愛で絆す
(なんてきれいな体なの。それに比べて私は貧相で……がっかりされたらどうしよう)

同僚の梢には痩せていて羨ましいと言われるけれど、自分では華奢な体形を魅力に思えない。

朝陽の目にどう映るのかが心配になる。

優しいキスの雨を降らす朝陽が、服の上から成美の体を撫でる。

ルームウエアを脱がされ、恥ずかしくてどんな顔をしていいのかわからず強く目をつむったら、脳裏にスポーツジムのプールが蘇った。

今はもう少しも怒っていないが、胸と背中を間違われた恥ずかしさだけは忘れられず、人並より控えめなバストを恨んでしまう。

朝陽の手が成美の背中に差し入れられ、器用な指で下着のホックを外された。

(あっ!)

思わず取られまいとして胸元を両手で押さえ、顔から火が噴きそうな思いで懇願する。

「ごめんなさい、あの、下着を身に着けたままではいけませんか?」

彼は目を瞬かせ、その後に片側の口角を上げた。

「それもいいと思うけど、今は駄目」

「どうしてですか?」

「俺が成美のすべてを見たいから」

「きゃあっ!」

下着をはぎとられ、両手首を掴まれてシーツに縫いつけられた。

< 136 / 282 >

この作品をシェア

pagetop