愛してると言わせたい――冷徹御曹司はお見合い妻を10年越しの溺愛で絆す
「ごめん、加減できないかもしれない。あんまり可愛いこと言うからだよ」

ゆっくりとした腰つきが次第に速まり、力強く打ちつける。

成美は必死に朝陽の背に腕を回してしがみついた。

しかし、やはり彼は優しい。

痛みに呻いたらすぐに速度を落としてくれて、「大丈夫?」と顔を覗き込まれた。

気持ちが高ぶるまま欲望をぶつけたいだろうに、自分をセーブして成美を気遣ってくれるのだ。

「大丈夫です。朝陽さんは優しいですね。私、朝陽さんのそういうところが大好きです」

微笑んで伝えたら、彼が困ったように笑う。

「優しい、か。そういうことにしておこう」

まるで違うと言いたげだが、深いキスをされてリズムを少し速められ、それ以上の会話は許されなかった。


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